横山英俊の首都圏座席指定列車のまとめ
こんにちは、横山英俊です!今回は、首都圏の座席指定列車についてです。
通勤・通学ラッシュの時間帯は、電車も非常に混み合います。職場や学校の最寄り駅まで座れないという状況も珍しくありません。しかしそれでは、通勤や通学の時間が苦痛だと感じてしまいます。
そのような状況を鑑み、首都圏の電車は座席指定列車を運行するケースが増えてきました。座席指定列車には座席指定列車ならではのメリットもあるため、利用を検討する価値は大いにあると言えます。
今回は、座席指定列車を利用するメリットや首都圏で運行している座席指定列車について解説していきます。
- 座席指定列車のメリットとは?
- 【小田急電鉄】モーニングウェイ号/ホームウェイ号
- 【小田急電鉄/東京メトロ】メトロモーニングウェイ/ホームウェイ
- 【西武鉄道】S-TRAIN/拝島ライナー
- 【京王電鉄】京王ライナー
- 【京急電鉄】モーニング/イブニング・ウィング号
- 【東急電鉄】Q-SEAT
- 【東武鉄道】TJライナー
- 【東武鉄道/東京メトロ】THライナー
- 【京成電鉄】モーニング/イブニング・ライナー
- まとめ
座席指定列車のメリットとは?
ここ最近、満員電車を避けたいと考える人が増え、座席指定列車の需要が高まっています。まずは、座席指定列車にはどのようなメリットがあるのかみていきましょう。
座席が確保されている
座席指定列車の最も大きなメリットは、既に座席が確保されているという点です。途中から乗ると満席になっていて座れない場合もありますが、座席指定列車ではそのような心配がありません。通勤や通学の時間帯も混雑する傾向があるため、座席を確保できるメリットは大きいと言えます。WEBでも座席を指定できるようになっているため、気軽に利用できるのも魅力的です。
通勤や通学の時間を短縮できる
座席指定列車は特急列車であるケースが多いです。特急列車だと各駅停車や快速よりも目的の駅に早く到着できます。最寄りの駅が特急列車の停車駅であれば、大幅に時間を短縮できるでしょう。
このようなメリットがあるため、コロナ禍で満員電車を避けたいと考える人からのニーズが高まっています。通勤や通学の時間をゆったりと過ごすことができれば、満員電車で疲れることもないため仕事や学業にも専念しやすくなるのもメリットの1つだと言えます。
【小田急電鉄】モーニングウェイ号/ホームウェイ号
モーニングウェイ号とホームウェイ号は、小田急電鉄によって運行されている座席指定列車です。特急ロマンスカーの中で、9時30分までに新宿に到着する列車がモーニングウェイ号、18時以降に新宿を出発する列車がホームウェイ号と呼ばれています。
【導入(走行)区間】
小田急小田原線の走行区間は、箱根湯本-新宿間となっています。小田急江ノ島線の走行区間は、片瀬江ノ島-新宿間です。
【料金】
箱根湯本-新宿間の料金は、特急料金が1,110円、切符運賃が1,220円です。片瀬江ノ島-新宿間の料金は、特急料金が630円、切符運賃が640円です。ただし、特急料金や切符運賃は乗車区間によって異なるためこの限りではありません。
【車内環境、シート】
GSE(70000形)、MSE(60000形)、VSE(50000形)、EXE(30000形)という4つの車両を使用しているため、車内環境はそれぞれ異なります。
【特徴】
モーニングウェイ号・ホームウェイ号の大きな特徴は、列車によって異なる車型を使用するという点です。土休日は運行ダイヤや運行本数が平日とは異なります。
【その他】
座席の指定は、自動券売機、主要駅の窓口、電話、WEBでできます。
【小田急電鉄/東京メトロ】メトロモーニングウェイ/ホームウェイ
メトロモーニングウェイとメトロホームウェイは、小田急電鉄と東京メトロによって運行されている座席指定列車です。東京メトロ千代田線に直結しています。朝は本厚木発北千住行が2本、夜は北千住発本厚木行が1本と大手町発が4本運行しています。
【導入(走行)区間】
小田急小田原線、東京メトロともに、走行区間は本厚木-北千住間です。
【料金】
小田急小田原線の料金は、特急料金が1,120円、切符運賃が910円です。東京メトロの料金は、特急料金が780円、切符運賃が760円です。ただし、特急料金や切符運賃は乗車区間によって異なるためこの限りではありません。
【車内環境、シート】
メトロモーニングウェイとメトロホームウェイでは、MSE(60000形)を使用しています。席は人間工学に基づいた設計になっているため、長時間の乗車も苦になりません。
通勤や通学時にも最適です。車内には、ゆったりとしたトイレも完備されています。
【特徴】
土休日は、運行ダイヤや本数が変更となるので利用する際は注意が必要です。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機、主要駅の窓口、電話、WEBです。
【西武鉄道】S-TRAIN/拝島ライナー
S-TRAINと拝島ライナーは、西武鉄道によって運行されている座席指定列車です。
【導入(走行)区間】
S-TRAINは、平日だと所沢から東京メトロ有楽町線の豊洲間運行しています。そして土休日は、西武秩父から東京メトロ副都心線と東急東横線を経由し、みなとみらい線の元町・中華街を結んでいるのです。そして拝島ライナーは、西武新宿と拝島を結んでいる直通列車で、下りのみの運行となっています。
【料金】
S-TRAINの座席指定料金は、所沢-豊洲間だと510円となっています。西武秩父-元町・中華街間は、1,060円です。拝島ライナーの座席指定料金は、300円です。
運行区間によって座席指定料金が変動するため、あらかじめ確認しておきましょう。また、座席指定料金だけではなく乗車券も必要となります。
【車内環境、シート】
車両は、西武4000系を使用しています。車輛の接続部にはガラスを採用しているため、とても開放感がある車内環境です。設備も充実しているので快適に過ごせる列車だと言えます。
【特徴】
拝島ライナーは、小平から西武立川間の各駅で乗車した場合、乗車券だけで利用できます。土休日はどちらも平日とはダイヤなどが異なるので利用前に確認しておきましょう。
【その他】
座席の指定方法は、いずれも自動券売機とWEBです。
【京王電鉄】京王ライナー
京王ライナーは、京王電鉄が初めててがけた座席指定列車です。京王ライナーの沿線には多摩ニュータウンなどのベッドタウンがあるため、通勤や通学で利用する人が多いです。
【導入(走行)区間】
京王線の走行区間は京王八王子-新宿間、京王相模原線の走行区間は橋本-新宿間となっています。京王線も京王相模原線も、下りが2本、上りが5本運行しています。
【料金】
座席指定券の料金は410円です。利用時には乗車券も必要となります。
【車内環境、シート】
車両は、京王5000系です。通勤用のライナーとしては後発となるため、かなり設備は充実しています。全座席にコンセントがついているのはビジネスマンの視点から見るとかなり魅力的なポイントです。
【特徴】
シーズン限定ではありますが、新宿-高尾山口を走るMt.TAKAO号も運行されています。ダイヤや運行本数は、土休日と平日で異なります。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機とWEBとなっています。
【京急電鉄】モーニング/イブニング・ウィング号
モーニング・ウィング号とイブニング・ウィング号は、京急電鉄によって運行されている座席指定列車です。この列車は、1992年に運行開始となった京急ウィング号から発展したものになります。
【導入(走行)区間】
走行区間は、京急本線と京急久里浜線ともに三崎口-泉岳寺間となっています。上りは3本ですが、下りは11本となっているので使いやすいです。
【料金】
座席指定料金は300円とかなりリーズナブルです。乗車券は別途購入しなければいけません。
【車内環境、シート】
ウィング号の2扉では、オールクロスシート車を採用しています。長時間乗っていても疲れにくいため、通勤や通学の時間を快適に過ごせる列車です。
【特徴】
モーニング・ウィング号・イブニング・ウィング号の停車駅は、上りと下りで異なります。これは、利用客のニーズに応えるための設定となっているからです。土・休日はダイヤや停車駅が平日とは異なり、日中に1両だけ座席指定車両を決めて運行するという形をとっています。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機とWEBの2種類です。
【東急電鉄】Q-SEAT
Q-SEATは、東急電鉄によって運行されている座席指定列車です。東京の南西部と神奈川県の南部をカバーしているのが東急電鉄です。
【導入(走行)区間】
走行区間は、大井町線と田園都市線ともに大井町-長津田町間となっています。運行本数は、下りのみで5本設定されています。
【料金】
座席指定料金は、400円です。利用時にはこの他に乗車券が必要となります。
【車内環境、シート】
シートには、電源やドリンクホルダーが付いているためとても便利です。また、社内では無料Wi-Fiも使えるようになっています。
【特徴】
Qシートを採用した車両は編成中の1両で、他はクロスシートが採用されています。
運行するのは平日のみです。たまプラーザ-長津田間はフリー乗降区間となっていて、乗車券だけで利用可能です。
【その他】
座席の指定方法は、改札窓口とWEBの2種類です。改札窓口は、一部の駅だけが対応可能となっているのであらかじめ確認しておきましょう。
【東武鉄道】TJライナー
TJライナーは、東武鉄道によって運行されている座席指定列車です。私鉄ライナーブームのパイオニアとしても名高い列車となっています。
【導入(走行)区間】
走行区間は、東上線の池袋-小川町間です。上りは2本、下りは14本運行されています。
【料金】
TJライナーの座席指定料金は、上りが470円、下りが370円となっています。座席指定券だけではなく乗車券も必要になるので忘れずに購入しなければいけません。
【車内環境、シート】
TJライナーは、通常だとロングシートになっていますがライナーとして使用する場合にクロスシートに転換できるデュアルシートという仕組みになっています。これは、関東の私鉄で初めて採用されるタイプのシートです。社内全体のデザインはすっきりとした印象に仕上がっています。
【特徴】
上り列車でふじみ野から乗車する場合は、座席指定料金が370円になります。また、下り列車でふじみの駅から乗車する場合は、座席指定券が不要です。土休日はダイヤや運休本数が異なります。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機とWEBとなっています。
【東武鉄道/東京メトロ】THライナー
THライナーは、東武鉄道と東京メトロによって運行されている座席指定列車です。東武伊勢崎線・東京スカイツリーラインと東京メトロ日比谷線の直通列車となっています。
【導入(走行)区間】
走行区間は、東武伊勢崎線・東京スカイツリーラインが久喜-新越谷、東京メトロが上野-恵比寿となっています。
【料金】
座席指定券は、久喜・東武動物公園・春日部-東京メトロ日比谷線の各駅間が680円、せんげん台・新越谷-東京メトロ日比谷線の各駅間が580円となっています。座席指定券の他に乗車券も必要です。
【車内環境、シート】
THライナーの座席は、TJライナーと同じくクロスシートとロングシートを転換できるデュアルシートを採用しています。また、各座席にはコンセントやドリンクホルダー、荷物フックが設置されているのでとても便利です。フリーWi-Fiも利用可能です。
【特徴】
恵比寿行の場合上野・秋葉原・茅場町・銀座が降車のみ可能となっていて、久喜行の場合は久喜・東武動物公園・春日部・せんげん台・新越谷が降車のみ可能です。北千住駅での乗降は不可となっています。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機とWEBの2種類です。
【京成電鉄】モーニング/イブニング・ライナー
モーニングライナーとイブニングライナーは、京成電鉄によって運行されている座席指定列車です。成田と上野を結ぶ通勤用のライナーとして活用されています。
【導入(走行)区間】
走行区間は、京成本線の京成上野-成田空港間です。上りは4本、下りは7本運行されています。
【料金】
座席指定料金は、420円です。利用する場合は、他の座席指定列車と同じく乗車券も必要となります。
【車内環境、シート】
車内には大きな窓から光が入り込む設計になっているので、とても明るいです。
清潔感のある車内空間を生み出す要因の1つになっています。シートはゆったりとした作りになっているため、座り心地も良い列車だと言えます。長時間乗っていても疲れにくいので、通勤や通学にも最適です。
【特徴】
定員制となっているため、必ず座ることが出来ます。最新の車両を使っているので、乗り心地もかなり良くなっています。
【その他】
座席の指定方法は、自動券売機、WEB、駅の窓口です。WEB以外で座席を指定する場合、ライナー券の買い方が駅によって異なるので注意が必要です。土休日は、運行ダイヤが変更となります。
まとめ
首都圏では、座席指定列車が運行していて、通勤や通学に利用されています。座席が確保されているため立ち続けなくても良い、通勤や通学の時間を短縮できるといったメリットがあるため、利用したいと考える人が増えているのだと考えられます。
首都圏における座席指定列車の数は多くなっていて、普段利用している路線を走っている列車があるという人もいるでしょう。そのような人は、ぜひ座席指定列車の利用も検討してみてください。座席指定列車は利用する人が快適に過ごせるような設備も整っているため、車内で仕事を進めたいと思っている人にも最適です。
横山英俊が調査!日本の鉄道が異なる軌間(レールの幅)を採用しているのはなぜ?
初めまして、横山英俊です!ブログ「横山英俊鉄道ブログ」を開設しました。初回は日本で他国と異なる軌間が採用されるようになった理由や、その背景についてご紹介します。
右と左のレールの頭部内面間の最短距離を軌間と言い、この軌間は鉄道の性能・能力に深い関わりがある要素です。 日本の鉄道では、この軌間が他国とは異なっており、不思議に思っている方もいるのではないでしょうか?また、軌間が異なることによって何か支障はあるのでしょうか?
日本の鉄道の現状や、海外との鉄道の違いに注目してこの記事を読んでみてください。
- 日本の軌間の現状とは
- 鉄道発祥の地であるイギリスとの関係性
- なぜ日本は標準軌を採用しなかったのか
- 海外の鉄道事情
- 京王線の軌間は特殊な馬車軌間?
- 日本で軌間を統一する試みはあったのだろうか?
- フリーゲージトレインがソリューションとなる可能性
- 横山英俊のまとめ
日本の軌間の現状とは
日本では、電車が通る鉄道道路や建設形態によって、様々な軌間が採用さています。 日本初となる鉄道は新橋一横浜間に開通し、レールの幅には1067ミリメートルという長さが採用されました。 当時、大蔵大輔だった大隈重信が決めたこの幅は、現在の軌間にも使用されており、多くの人々が利用するJR在来線や私鉄などがその一例です。
日本の軌間は海外とは異なると言われていますが、実は日本国内でも県や地域によって異なる軌間を採用していることをご存じでしたか? 一体なぜこのように様々な種類の軌間が現場で採用されているのでしょうか?
ご紹介するのは、異なる軌間が採用されるようになったきっかけです。 条例や法律も深く関係しており、様々な経緯によって全国各地で違いが見えてきます。
「私設鉄道法」
日本の鉄道は、国鉄でつくられることが原則とされていました。 しかし、その後日本国内では鉄道が普及し始め、国鉄だけでは鉄道整備が追い付かなくなってしまいます。
そのような影響があり、非常に多くの私鉄が認可されるようになったのです。 鉄道の普及と同時に、法律でレールの幅を1067ミリメートルに決定し、1887年「私設鉄道条例」が制定されました。
制定された条例の第7条には、「三呎六吋」という言葉が出てきます。 これは、3フィート6インチ=1067ミリメートルを表す言葉です。 その後の1900年に施行された「私設鉄道法」にも受け継がれました。
「軽便鉄道法」
国は自由度を求め、施設鉄道と比較して規格が簡便な「軽便鉄道法」を1910年に施行しました。 軽便鉄道法が制定されたことによって、762ミリメートルの狭い鉄道もつくられるようになり、軌間の建設に必要な費用が大幅に削減されたのです。
これらの路線はかつて「軽便鉄道」と呼ばれ、現在でもこの軌間が残っている路線があります。 軽便鉄道のような方式に追随する鉄道会社が増加した影響で、現在全国各地で軌間の違いが生じているのです。 このような背景があり、日本の鉄道には様々な軌間が採用されているのです。
鉄道発祥の地であるイギリスとの関係性
鉄道文化が誕生したイギリスの歴史について簡潔にご紹介します。 1803年に馬の牽引による公共鉄道「サリー鉄道」がロンドンで開通し、翌年には鉱山技師のリチャード・トレビシックが世界発となる蒸気機関車の実用化に成功しました。
そして、1825年に記念すべき世界初となる蒸気機関車による公共鉄道「ストックトン・ダーリントン鉄道」が開業したのです。 これが世界初、今では世界最古の鉄道となりました。
では、発祥の地であるイギリスと日本はどのような関係性があるのでしょうか? 1900年に施行された「私設鉄道法」でも定められている軌間3フィート6インチは、当時イギリスで使われていた単位であり、これをメートルに換算したのが1067ミリメートルです。 このような中途半端な数字を使っていたのは、発祥の地であるイギリスの影響は大きかったのでしょう。
なぜ日本は標準軌を採用しなかったのか
世界各国では、標準軌である1435ミリメートルが採用されています。 一体なぜ日本は1435ミリメートルを軌間に採用しなかったのでしょうか?
標準軌が採用されなかった背景には、国鉄時代の鉄道黎明期が大きく影響していると言われています。 諸説あると言われていますが、イギリスからの推奨や、建設する費用が抑えられること、輸送が難しかったことなどが挙げられます。
イギリスは標準軌の1435ミリメートルを採用する一方で、植民地では1067ミリメートルの狭軌が採用されていました。 その当時、日本はイギリスから植民地のような扱いを受けており、それが影響して現在採用されている1067ミリメートルを推奨されたのではないかと言われています。
また、標準軌よりも狭い幅の軌間を採用することによって、コストを削減できるというメリットがありました。 鉄道は広範囲で大規模な工事を短期間で行うため、なるべく必要な費用を抑えなければいけないのです。
しかし、標準軌を採用しなかったことで生じるデメリットもありました。 狭軌は乗り心地も標準軌に劣り、高速走行にも不向きであると分かりました。 速達性が重視されている場合、狭軌であると支障が出やすいのではないでしょうか?
海外の鉄道事情
現在では、多くの国が標準軌である1435ミリメートル、4フィート8インチ半を採用しています。 発祥地であるイギリスを始めとするヨーロッパ、北アメリカ、東アジアなど、世界で最も普及率が高い軌間になっています。
イギリスで初めて実用化された蒸気機関車が世界各国に広まり、それに伴い標準軌である1435ミリメートルが浸透していきました。 標準軌の幅以下の長さは、狭軌と呼ばれており、日本が採用しているのもその一つです。
京王線の軌間は特殊な馬車軌間?
1970年代後半、新宿線と京王線が直通運転することが決まり、それに伴い現在の京王電鉄に軌間の変更を求めました。 当時、京王線は1372ミリメートルでした。しかし、京王はこの変更に応じず、新宿線が京王に合わせて変更することになったのです。
軌間を変更するということは、人々が利用している乗り換え駅や、輸送サービスに大きく影響するため、変更を拒否しました。 そもそもなぜ京王は、レールの幅が他の鉄道会社が採用していない1372ミリメートルだったのでしょうか?
その背景には、馬車が線路の上を歩く馬車鉄道が1372ミリメートルを採用していることと関係していました。 当時ではそれほど珍しい数字ではなかったようです。
日本で軌間を統一する試みはあったのだろうか?
現在、様々な軌間が採用されている日本ですが、過去に全国の軌間を統一するために、1067ミリメートルの採用を規制する「私設鉄道条例」が公布されたこともありました。 しかし、この変更に応じない鉄道会社もいたため、統一は実現しませんでした。
フリーゲージトレインがソリューションとなる可能性
フリーゲージトレインとは、その線路に合わせて軌間の変動が可能な試験電車のことをいいます。 電車が変動することによって、軌間を統一しなくても対応できるのではないかと期待されています。 フリーゲージトレインは、既存の車両を使用することができるので、コスト軽減にもつながるのです。 直通運転が可能になれば乗り換えも不要になり、より多くの人々が便利に利用できるのではないでしょうか?
横山英俊のまとめ
日本が他の国とは異なる軌間を採用している理由には、今回、ご紹介したような時代背景があったのです。 全国各地の路線は、開業するまでの様々な経緯によって、多種多様な軌間を生み出してきました。 一度は全国の鉄道会社で統一を試みましたが、難しかったようです。 しかし、現在フリーゲージトレインという新たな方法で、利便性を向上させようと取り組んでいます。
車両性能にもよるが、山手線(狭軌)と京急線(標準軌)の乗り心地を比べると、その差が良く分かるだろう。いくら鉄道ネットワークの拡充を優先に重きを置いたからと言って、将来、改軌工事は容易にできることではない。高速・大量輸送が鉄道の一番の利点なので、標準軌が理にかなった最適な線路幅のはずである。大隈重信の先見の明が無かったのではないかと思う。大阪圏のような標準軌で高速、快適走行できる基盤が理想ですね。