横山英俊の鉄道ブログ

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鉄道の車内放送、特徴的な鼻声はなぜそうなった?

電車内放送

こんにちは、横山英俊です!みなさんは、電車を利用した時に車内放送の声が独特だと感じたことはありませんか?
特徴的な鼻声で車内放送する車掌さんが多いので、それが当たり前だと感じている人もいるでしょう。しかし、全ての鉄道会社の車掌さんがそのような車内放送をするわけではありません。

そのため、余計に気になってしまうという人もいるはずです。今回は、なぜ車内放送が特徴的な鼻声になったのかという疑問に答えていきましょう。

車掌さんの話し方が特徴的になった理由とは?

まずは、なぜ電車の車掌さんが特徴的な声で車内放送するのか、その理由からみていきましょう。

■①先輩の車内放送を踏襲しているから

1つ目は、先輩の車内放送を踏襲しているからという理由です。現役で活躍している車掌さんの中には、そのような話し方をするのが当たり前だと思っていたという人も多いです。聞きなれている車掌さんの話し方や先輩の話し方を真似ることで、必然的に特徴的な鼻声になります。

実習中からそのような車内放送をしても注意されたり、特別に始動されたりすることもないようなので、現場に出るようになってからも続けている人もいます。

しかし最近では、女性の車掌さんも増えつつあり、女性の場合は鼻にかかったような声で車内放送する人はほぼいません。多少似たような車内放送になっていたとしても、男性ほど特徴的ではないケースが多いです。

■②かつては放送に使用する機械の質が悪かったから

2つ目は、かつては放送に使用する機械の質が悪かったからという理由です。かつて電車で使っていた放送の機械は、雑音が入りやすかったり、低音が通りにくかったりといったデメリットがありました。

高音やサ行は、耳障りな音として伝わりやすかったこともあり、話し方が普段とは違う感じに変化していったと言われています。声のトーンを上げるだけではなく、舌と歯が触れないように話すようになったため、特徴的な鼻声で車内放送するようになったのです。

放送に使う機械の品質は、どの鉄道会社も大きな差はありませんでした。その結果、かつては全ての車掌さんが特徴だと言われている鼻声で車内放送をしていたということになります。

■③聞き取りやすくしようとしたから

3つ目は、聞き取りやすくしようとしたからという理由です。最近電車で使われているマイクや放送に使う機械の性能は良くなっていて、呼吸音まで拾ってしまいます。呼吸音が入ってしまうと聞き取りにくくなってしまうため、あえてマイクに息がかからないような向きで話すのです。そのような話し方をした時に、車掌さんをイメージさせるような特徴的な鼻声で話した方の声が入りやすいと考える人もいます。

また、普通の話し方にしてしまうと、お客さん同士の会話と区別がつきにくくなるため、あえて鼻声にしているという車掌さんもいます。

車掌さんの話し方が特徴的になった理由には、このようなものが挙げられますが、伝統的とも言える話し方を受け継ぎたいと考える人が多いと考えてもよいでしょう。ただし、京急電鉄の車掌さんが使うと言われている「ダァ シエリイェス」は、実際の車内放送とは違うため、必ずしも全てがイメージ通りではないと考えられます。

JR東日本JR西日本はアナウンサーに近い話し方?

JR東日本JR西日本の電車を利用する機会が多い人ならわかると思いますが、そこまで特徴的な声で車内放送をする車掌さんはいません。もちろん人によって話し方の癖はありますが、多くの人がイメージする車掌さんならではの鼻声は聞いたことがない人もいるはずです。

なぜかというと、JR東日本JR西日本では節回しをつけない放送をするように指導しているからです。JR東日本の場合、NHKアナウンサーでの活動経験がある人を講師に招いて研修を行っていて、誰もが聞き取りやすい車内放送を徹底しています。

また、民間の鉄道会社においても独特な声で車内放送するような指導は行われていないといいます。先輩社員から指導を受けている中で一部のやり方が引き継がれたことが理由ではないかと考えられますが、特徴的な鼻声で車内放送する理由ははっきりと分かっていません。

また電車内で使われている放送機器も進化していて、トンネルの通過時や車内のにぎやかさなどを考慮し、車掌さんが話す時の放送音も補正しています。鉄道会社自体も、基本的には自動アナウンスを使用し、トラブルが発生した時に車掌さんがすぐ対応できるような体制を整えています。そのため、現在の車内放送は聞きやすさを重視する傾向にあり、特徴的な声で車内放送する車掌さんはかなり減ったと考えられるでしょう。

まとめ

電車に乗ると耳にする車内放送の声が特徴的で気になっていたという人は多いです。車掌さんのものまねをする時は、鼻にかかったような声で話すので印象的かもしれません。しかし、独特な声で話していた時代にはきちんとした理由がありました。

最近は使用している機械の進化や社内教育などによって、徐々にアナウンサーのような話し方をする車掌さんが増えています。それでも車掌さんらしさをイメージさせる特徴的な鼻声で車内放送する人もいるので、電車に乗る時は聞き比べてみると面白いかもしれません。

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