横山英俊の鉄道ブログ

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新幹線のCA、パーサーの仕事内容・サービスは?

新幹線のCA、パーサーの仕事内容・サービスは?

こんにちは、横山英俊です。今回は、新幹線の車内で活躍するパーサーという職業のスタッフについて解説していきます。

新幹線に乗る際、いつも清潔感のあるスタイルと笑顔で出迎えてくれるパーサー。見た目の華やかさとともに、危険やトラブルがあった際には素早く乗客のケアをしてくれる頼もしい存在でもあります。新幹線のパーサーに憧れている人も多いのではないでしょうか。

パーサーって何?どんなことをする人?

新幹線のパーサーとは、ひとことで言えば、乗客が目的地まで快適に過ごせるようサポートするスタッフのこと。目的地へのサポートだけではなく、車中で起こるトラブルへの速やかな対応なども仕事内容に含まれます。

簡単にパーサーの仕事を箇条書きにしてみると、このようになります。

  • 搭乗口での乗客の出迎え(グリーティング)
  • 車内でのワゴン販売
  • 車内巡回やアナウンス
  • 急病人の対応
  • 事故など不測の事態に対する緊急対応

飛行機によく乗る人であれば、CA(キャビンアテンダント)の新幹線バージョンだと考えるとわかりやすいかと思います。もちろん、ここに挙げたもの以外にも搭乗日の報告書作成などといった細かい仕事がたくさんありますし、会社ごとにも異なる点はあります。

新幹線パーサーの詳しい仕事内容

新幹線パーサーの詳しい仕事内容を見ていきましょう。

グリーン車の車掌業務

乗客が安心して目的地への旅ができるよう、車内に不審なものや異常がないか点検したり、車内巡回を行うのもパーサーの仕事です。車掌業務としては、乗車券・特急券をチェックする車内改札業務や、空席案内、旅客案内などが挙げられます。

■車内でのワゴン販売

新幹線パーサーの仕事として、一般の人たちにもイメージしやすいのが、車内でのワゴン販売ではないかと思います。

東海道新幹線であれば、車内販売のワゴンにはお弁当やコーヒー、アルコールやおつまみなどといった食品類が常時70〜80種類ほど取り揃えられています。あの有名な固いアイスクリームも、新幹線ならでは。乗客からの要望や季節によって入れ替えが行われています。

夜ならばアルコールやおつまみ類を多くワゴンに乗せるなど、乗客のニーズを汲み取り、何をどうやって販売するか考えるのもパーサーの仕事です。

■急病人やトラブルが発生した場合の対応

新幹線という多くの人にとって「非日常的」な空間では、乗り物酔いを含め急病人が発生することも多々あります。普段はあまりなくとも、「不審物を発見した」「長時間の停電に見舞われた」などといったトラブルも起こり得ます。そういった場合の対応もパーサーの仕事。また、緊急時の避難誘導などといった不測の事態の対応なども車掌と連携しながら行います。

パーサーのキャリアアップ

もちろん、パーサーという職業もキャリアアップは可能です。東海道新幹線の事例を見てみると、まずはワゴン販売を行う「アシスタントパーサー」から始まり、研修の受講と「車掌業務資格」の試験に合格することで「パーサー」に昇格します。そこで実績を積み昇格すると「シニアパーサー」、さらなる昇格でパーサーとしては最高ランクの「チーフパーサー」と上がっていきます。

最終的なキャリアとしては、新人研修などパーサー全体の教育を担当する「インストラクター」として活躍することが出来ます。全てのパーサーがこのルートを辿るわけではなく、パーサーとして一定の経験を積んだ後、適正を見込まれて内勤や管理者の道を進んでいくスタッフもいます。

ちなみに、東海道新幹線のパーサーはバッジの色、山陽新幹線のパーサーはスカーフやリボンの柄で役職がわかるようになっています。

パーサーに必要なスキル

新幹線パーサーに必要なスキルとはどのようなものでしょうか。

■接客マナーや身だしなみ・語学スキル

パーサーは採用された後にまず、上質なおもてなしをするためのマナーやコミュニケーションの研修を受けます。身だしなみや言葉遣い、接客の基本など、パーサーとしてだけではなく社会人として必要なスキルを学ぶことができます。

また、メイクや英会話の研修機会を設けている会社もあります。外国語の資格取得を絶対としている会社は多くありませんが、英語や中国語などが話せる場合は乗客とのコミュニケーションを円滑に行う事が出来たり、車内アナウンスに役立ったりします。

■おもてなしの心

乗客が新幹線に乗っている理由は、ビジネスマンや子ども連れの親、子どもひとりなど、立場や年齢も違います。新幹線パーサーは、そういった乗客個々に寄り添う必要があります。自分たちにとって新幹線に乗る事は日常であっても、乗客にとっては「初めて」の新幹線であり、ドキドキしていたり不安であったりする場合もあります。

電車が遅れそうな場合はいつもより車内アナウンスの間隔を短くしたり、不安そうな乗客には声をかけたり、ぐずる子どもをあやしたりする事もあります。すべての乗客が快適に目的地へたどり着くため、常に乗客が何を求めているのか考え、察するスキルが必要です。

■体調管理能力

新幹線パーサーはシフト制の勤務。不規則な勤務体制となるため、体調管理能力は必須だと言えます。泊まりでの勤務もあるため、上手に時間を使えるように考えなければいけない点についても留意しておく必要があります。また、揺れている車内での業務となるため、体幹の良さが活きるという声も聞きます。

まとめ

新幹線での移動は、多くの人が長くても2〜3時間程度。最長の東京〜博多間でも5時間程度となります。そんな短い時間のひとときを快適に過ごせるよう尽力してくれるのが「新幹線パーサー」です。

いつも笑顔で出迎えてくれる華やかさがある反面、毎日揺れる車内で重いワゴンを押し、緊急時には乗客の避難誘導を行ったり急病人の対応を行ったりもするなど頼もしい一面もあるお仕事だという事がわかります。

新幹線の車内でパーサーを見かけたら、ぜひその仕事ぶりにも注目してみてください。

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