横山英俊の鉄道ブログ

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電車の運転士になるには?仕事内容や給料は?

電車の運転士になるには?仕事内容や給料は?

こんにちは、横山英俊です。今回は、電車の運転士について解説していきます。

乗り物が好きな子供なら誰もが一度は憧れると言っても過言ではないほど、鉄道運転士は人気のある職業ですよね。毎日たくさんの人々を乗せて大きな電車を運転する電車の運転士にはどのような資質が求められているのでしょうか。

鉄道運転士はどんな人?

鉄道運転士は、乗客や貨物を乗せた電車を運転して、安全・正確に目的地まで届けるのが大きな仕事です。その他、発着の準備や報告やトラブル・災害の対応なども行います。

鉄道運転士のやりがい

人々のライフラインのひとつでもある電車を操縦するというのは、責任も重大です。一度に預かっている命も多く、毎日些細なミスも許されません。そのぶん、自分の仕事が多くの人々の役に立っているという自覚も大きい仕事といえ、それを「やりがい」としている人も多いでしょう。

また、乗客側からすれば「毎日定刻通りに発着するのが当たり前」という感覚の人も多いですが、電車の運転はその日その日の天候や車両の状態、乗客数によっても運転間隔が変わる乗り物です。

自分が運転する車両の状態をいち早く察知し、どのような状態であってもしっかりとダイヤ通りに運行するには相当の技術が必要。鉄道運転士は運転士の免許を取った後も勉強の毎日なのです。自分が積み上げてきた技術を実感する時に「やりがい」を感じるという運転士もいるようですよ。

鉄道運転士の大変なところ

鉄道運転士は勤務時間が不規則であるため、慣れるまでは辛いと言う人もいます。朝5時台の始発を運転する日もあれば、夕方から深夜の終電を運転する日もあるというのは、普通の会社員ではあまり考えられない勤務形態ですよね。

また、鉄道運転士は業務中の居眠り厳禁。多くの人の命を預かる仕事であるということも念頭に置いて仕事をしなければなりません。自身の体調管理をしっかり行うことはもちろん、精神的なプレッシャーにも勝たなければ務まらない仕事なのです。

鉄道運転士の詳しい仕事内容

鉄道運転士の仕事内容を詳しく見てみましょう。

■電車の運転

信号機や標識、路線の状況に応じて速度を調節しながら、時刻表通りに目的地へ到着できるように運転するのが仕事のひとつです。電車が駅に止まる際には、駅のホームの停止線に合わせて停車するなどの運転技術も必要となります。

■電車設備のチェック

電車を運転する前(車両を車庫から出す際)に、モーターやブレーキといった機器類や安全装置のチェックを行うことも鉄道運転士の仕事です。

■トラブルや災害の対応

鉄道運転士は、自分が運転している車両に起こったトラブル事故などの緊急対応を行う場合もあります。不測の事故が発生した場合、車掌などのスタッフと連携して乗客の安全を確保したり、事故の処理を行ったりします。

鉄道運転士になるにはどうすればいい?

車の運転免許と同じように、鉄道の運転は「動力車操縦者運転免許」の試験に合格した人のみ行うことができます。

動力車操縦者運転免許」の受験は20歳以上であれば可能ですが、実技試験合格のために国土交通省認可の動力車操縦者養成所でトレーニングを受けてから受験するのが通例となっています。鉄道会社に就職できたからといって、すぐに鉄道運転士になれるわけではありません。

鉄道運転士になるためのルート

鉄道運転士を目指す人は、まず鉄道会社に入社して1年〜数年間駅員や車掌として勤務し、実務経験を積みます。実際に運転士を目指している社員が駅員や車掌業務を行う期間は短くてもおよそ2〜3年とされており、もっと長くこの業務に就く人もいます。(駅員を2年経験してから、さらに車掌業務を3年行うなど)

この駅員や車掌の業務を数年間行い、電車に関する基礎知識をしっかり取得して初めて「鉄道運転士」になるためのトレーニングを受ける資格が得られます。

JRや大手私鉄の場合は自社に動力車操縦者養成所を持っているため、そこで約8〜10ヶ月ほど鉄道運転士になるためのトレーニングを受け、やっと「動力車操縦者運転免許」の資格試験に臨むのです。

鉄道運転士になるためのルート
[画像:shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/192]

鉄道運転士になるために必要な資格

運転士として仕事をするには、先ほども触れたように国家資格である「動力車操縦者運転免許」の試験を受験し、合格しなければなりません。

動力車操縦者運転免許は日本の法律で定められた鉄道を運転できる資格で、業務独占資格のひとつ。また、運転免許の種類は以下の12種類です。

  • 蒸気機関車運転免許(甲種・乙種)
  • 電気車運転免許(甲種:電気機関車と電車・乙種)
  • 内燃車運転免許(甲種:内燃機関車と内燃動車・乙種)
  • 新幹線電気車運転免許
  • 磁気誘導式電気車運転免許(第一種・第二種)
  • 磁気誘導式内燃車運転免許(第一種・第二種)
  • 無軌条電車運転免許

参考:動力車操縦者運転免許に関する省令(elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=331M50000800043_20210101_502M60000800098)

一般的にイメージされる電車の運転士を目指す人の場合、「甲種電気車操縦者運転免許」の取得を目指すことが多いと言えます。新幹線を運転したい場合は「新幹線電気車運転免許」が必要になるなど、免許の種類によって運転できる車両の種類が違うため、自分が運転したい車両の免許はどれに当たるのかしっかり把握しておく必要があります。

また、一度動力車操縦者運転免許を取得し念願の電車運転士になっても、定期的に受ける必要のある「運転適性検査」に毎回合格しなければ、運転士を続けることができません。多くの人の命を預かる仕事だからこそ、知識と適正はとても厳しく審査されます。

鉄道運転士のキャリアや収入について

鉄道運転士になる前には、まず駅員や車掌としてキャリアを積み、「動力車操縦者運転免許」の受験資格を得るところから始まります。

鉄道運転士になるには長い下積み経験が必要であるため、運転士という仕事に憧れて就職した人は、あえてベテランの運転士として何十年も働きたいと希望する人もたくさんいます。

しかし、運転士は定期的に運転適性検査を受ける必要があり、検査に落ちてしまった場合には運転士として乗務することが出来なくなってしまいます。そのため、定年まで現役の運転士として務められる事例はあまり多くはないようです。

運転士を終えたあとのキャリアとしては、鉄道会社の管理職や駅長などに就くケースがあります。その他、後輩を育てる教育担当や、ダイヤ改正などよりよい鉄道の仕組みをつくるために本社勤務を希望する人もいます。

鉄道運転士の収入は、およそ400万円台後半〜600万台の間と言われており、一般的なサラリーマンの年収よりも若干高めの数値が発表されています。

まとめ

さいころからよく電車に乗り、鉄道運転士に憧れている子供も少なくありません。実際に鉄道運転士になった人たちも、「電車の運転をしたい!」という強い気持ちを胸に、難関の資格試験をパスする努力をしてきた方ばかりです。

大きな電車を運転するという憧れの職務である一方、鉄道運転士には豊富な知識や高い適性も求められます。些細なミスが大事故の原因となるため、高いプレッシャーにも負けない精神力が必要な仕事とも言えるでしょう。

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